Windy day  - 女運転手が行く!



「ダンプカーの女運転手」にスポットを当て
あ〜んな話やこ〜んな話を
覚悟を決めて一挙公開!
他のページでは一切語られてない
(というか語れない…)
ここだけの話をどうぞ!



はじめに
セクハラ王国?
  〜セキララ告白集/Q1〜
ヤな運転手もいる
  〜セキララ告白集/Q2〜
女運転手は注目される
  〜セキララ告白集/Q3〜
ダンプカーはもう一つの顔
  〜セキララ告白集/Q4〜
女運転手はなぜみんなヤンキーなのか?
  〜セキララ告白集/Q5〜
無線
  〜セキララ告白集/Q6〜
「飲みに行こう」の誘いには?
  〜セキララ告白集/Q7〜
どこまで許す?
  〜セキララ告白集/Q8〜
ダンプは女性に向き? 不向き?
  〜セキララ告白集/Q9〜
「女だから」の偏見にはこうして立ち向かえ
   〜セキララ告白集/Q10〜
おわりに




 はじめに

トラック業界に女性ドライバーが増えて来て、一員である私は嬉しい限りです。

が、一見「カッコイイ」とされている女運転手ですが、女だからって困ることはあるのでしょうか? 男運転手とはどう付き合っているの? 仕事では何が大変? と案外?? だらけ。

よっしゃお教えしましょう!
トラックといっても職種は色々ですが、あえてここでは「ダンプカーの女運転手」にスポットをあてて、私をはじめ14人の同業者の女性から話を聞き、それに基づいて作成しました。

そして、他のページで私が禁句にしている話も、ここではアリ。タブーなしで全てぶっちゃけてしまっています。
なので「楽しい」内容ばかりではありません。結構ドロドロした話や、「ウソー!」と驚いたり、「ゲゲッ」とのけぞっちゃうような話もあります事を先にご了承下さい。

読み終えて、「ダンプってワケ分からんけど、ハチャメチャで楽しそう」と感じてもらえれば幸いです!



 セクハラ王国?

女性が増えて来たとはいえ、トラック業界はまだまだ男社会。

その男の人も、結婚ウン十年経っていて自分のヨメさんには欲情しないから外にはけ口を求めてて、いい年だから恥じらいも何もなく下ネタもえげつで、ある程度の収入があるから女遊びも派手、という んもうどうしようもない人達が多いのです。
(ダンプの男運転手さん、読んでたらスミマセン)

今はセクハラ法が厳しく改正されましたが、あんなの聞いてたらちゃんちゃら可笑しい。
名前をちゃん付けで呼ぶ、肩を揉む、結婚はまだか? と聞く、食事に誘う…それらをセクハラと言うのなら、ダンプ業界では1時間ともちましえん。

ダンプ業界では男運転手が、
「○○ちゃんは胸何カップ?」
「昨夜彼氏と何発やったの? どんな体位で?」
など、平気な顔で聞いて来ます。そしてその女性運転手が Y談に乗ってくると分かると、それらの質問は挨拶替わりに日常茶飯事に言われるようになります。とにかく男運転手はソノ話が好きなんだから。

でもY談が平気な女性は意外に多く、私の周囲の友達は堂々と受け答えをしていたりして、驚くやら頼もしいやら。
「嫁入り前の女性なんだから、ほどほどにね…」
と、まるで母親のようにたしなめたりしたこともあります。
まあもう大人なんだし、自分の言った事に関して広まったウワサを受け止める覚悟があるなら、好きな話をすればいいとは思いますが。

かく言う私は、絶対にその手の話には乗りません。もちろん聞いて来る運ちゃんは沢山いますが、全て適当にかわしてます。
私の好きな体位は、恋人だけが知っていればいいんだもんねー。



〜セキララ告白集〜
 Q1.仕事上での失敗は?

(15人中現役13人
 平均年齢26.5歳 平均運転歴3.4年)

「地盤がグチャグチャの現場へ行った時、見事にハマった。現場は止まって大迷惑。トホホ」
「砂利を運んだ先で、少しずつ分けて下ろしてと言われたのに、10t全部一気に下ろしてしまった」
「ダンプの荷台を上げたまま現場を出てしまって、頭上の電線(ケーブル含む)を切断しちゃった」
「道を激しく間違えた…」
「仕事中、友達との電話で、『えー無線? いいのいいの、放っとけば。オッサンばっかりだから、しゃべってても面白くないんだもん!』と話していて、ふと気付いたら無線のマイクのスイッチがONに! 運ちゃん達は何も言わなかったけど、絶対バッチリ聞こえていたと思う…」



 ヤな運転手もいる

このページがなぜ「トラックの運転手」ではなく「ダンプ」と特定しているのか。

よくぞ聞いてくれました。(誰も聞いてない)それは、ダンプならではの異様な特徴があるからなのです! ドンドンッ!(机を叩く音)
それは、「ダンプ業界では全ての人が繋がっている」ということ!

ダンプ業界は それぞれが別の会社にいる運転手なのにも関わらず、「ダンプ運転手」という、ワケの分からん 1つの集まりでもあります。

その理由は、後から述べる「無線」で繋がりなのですが、運転手同士で交わされる話はとにかく、ダンプ業界全員に知れ渡っちゃうのです。
悪口やウワサ話は特に広まりやすいので、女運転手は、全ての男運転手に普段から愛想良くしておいた方がいいでしょう。
「関係ない人には必要ないでしょう?」
とは思っても、ダンプ業界にいる限り、誰とどこで一緒になるか、お世話になるか分からないもの。例え一緒に仕事はしてなくても、道で擦れ違ったりするだけでも十分な関わり合いです。

例えば私には、敵対して口も聞いてないSという男運転手がいるのですが、「普通ならこういう 場合 向こうが譲るよね」という状況でもそいつは、私に気付いていないかのように知らん顔をして通り過ぎて行き、絶対に譲りません。
ガキかお前は、と私の方も相手のレベルが低すぎるので呆れるばかりで怒りも湧いて来ず、バカは放っとこ、という気持ちでいますが。

まあでもやっぱり、毎日の仕事は気持ち良くしたいもの。嫌な運転手は沢山いますが、それでもやっぱり愛想良くしておいた方がいいです。
「んもう、顔を見るのも声を聞くのも同じ空気を吸うのもイヤ! イヤイヤイヤッ!」
というくらいキライな男運転手だとしても、あなたがいつどこでお世話になったり助けてもらったりするか分からないのですから。

愛想良くしておくと缶ジュースももらえるかもしれないし♪



〜セキララ告白集〜
 Q2.女でトクしたことは?

「男だったら放っておかれる場面でも、丁寧に教えてもらえる。みんな親切にしてくれる」
「やっぱり親切にしてもらえる。缶ジュースやお菓子もらったり…って子供か私は」
「今のダンナ様と知り合えた」
「チヤホヤされるのが気持ちいい! だから私は、女性運転手はこれ以上増えて欲しくない」



 女運転手は注目される

はっきりいって、女運転手は注目されます。他の男運転手にはもちろん、現場のおっちゃん、街ですれちがう乗用車、道ゆく人、みーんなが見てます。

ダンプ業界に入ったからには、全てのダンプ運転手の話題に自分が上がる事を覚悟した方がいいでしょう。美人だろうがそうでなかろうが関係なく、「女」というそれだけで注目を浴びるのです。
新人であっても、「あそこの会社に女運転手が入った」 という事は、業界中ではあっという間に広まります。自分が知らない運ちゃんでも、向こうは自分を知ってると思っておいた方がいい。

そして女運転手は、顔とスタイルをはじめ、胸のデカさ、化粧の厚さ、服装、愛想の良さ、タバコを吸うか吸わないか、どの辺に住んでいるのか、彼氏はいるのかなど、とにかく話題になります。

「私の顔やスタイルがてめえに関係あんのか? てめえの女になる事は間違ってもないんだから、人の事ぁ放っとけよ!」
と言いたくなる時は何度もあります。
でも、こればかりは諦めるより仕方ありません。男社会に入って来た女は、良くも悪くも目立ってしまうのだから。

「あーら、私は注目されるのって大好きよう。どんどんウワサしてちょうだい、うふふふふー」
という人ならいいですが、大抵の場合、
「もう頼むから放っといて!」
とイヤんなっちゃうでしょう。事実 女運転手Hちゃんは、男運転手にあれやこれやとウワサされる苦痛に耐え切れず、2年でダンプを降りてしまいました。

対策としては、「できるだけ愛想良くしておく」事がまず第一。周りの男運転手から気に入られて親切にされるのとされないのとでは、仕事の快適さは格段に違います。

が、いくら男運転手から気に入られて悪口は言われなくなっても、そのかわりウワサはされます。気に入られればそれだけ注目されて、何やかんやと話題に上ってしまうのです。

これに対しては、「ウワサは極力聞かないようにする」 しかないでしょう。どうしたって何やかや少しは言われちゃうんだから、と開き直るくらいの気持ちで。
ほんの少しなら、注目されるのも悪くありませんしね。



〜セキララ告白集〜
 Q3.女がために、イヤな思いをしたことは?

「道を譲ってあげたのに手も上げてかない運転手がいると、女だからナメてるのかなあと感じる。ちょっとした事でも、『女だからナメられてるのでは』とどうしても思ってしまう」
「上司のストーカー騒ぎ。今はもう収まっているけれど、入社当時、深夜や早朝にアパートの周りをうろつかれてマジで怖かった」
「もちろんセクハラ! 朝一番、仕事の打ち合わせをしにトラックを降りて行ったら、いきなり胸をつかまれた」
「仕事で知り合いになった運ちゃん達とあちこち飲みに行ってたら、他の運転手に、『あの女は誘われりゃ誰にでもホイホイついて行くヤリマンだ』と陰口を叩かれた」



 ダンプカーはもう一つの顔

前項でもある通り、ダンプは会社が違えど、「ダンプ業界」という特殊な1つの集まりです。
なので、
「あのダンプは○○会社の○年式のクルマで、○○の仕事を主にしてて、運転手は○才くらいの男(または女)だな」
ってな事くらいは、ぜーんぶ把握されちゃってます。

特に女運転手なら、更にチェックは厳しくなります。ダンプは自分が乗っている事を知られてる、もう一つの顔だとくれぐれも認識すること。

そしてダンプカーを家まで乗って帰っているコ、特に家の近くにダンプを停めているコは要注意。
「ダンプがここに停まってるって事は、家はこの辺なんだな」と、ダンプを見かけた男運転手達には、大体の住所はバレてしまっています。

仕事帰りの立ち寄りにも注意すること。お店やスーパーならまだいいけど、誰かの家の前など、見られた時、
「何でこんな所に? 男でもいるのかな」
と思われるようなアヤしい場所には長時間ダンプを停めておかない方がいいでしょう。
品行方正を気取りたいのなら、ダンプのまま彼氏の家へ泊まってそこから出勤、というような事は絶対に避けること。

私は以前、自分のダンプをとある所に停めて、知り合いの男運転手・Tさんのダンプに乗って仕事について行ったことがありました。 そして夕方、Tさんのダンプを降りて自分のダンプに乗り込む所を、運悪く他の運転手に見られてしまい、当然(?)私と Tさんは、
「ダンプの中でしっぽりヤッてた」
という事になってしまいました。なんでそーなるの?

でもまあ、男運転手の発想レベルってのはせいぜいこんなモノなのです。ダンプに乗っている時は、勤務時間以外でもくれぐれもご用心。



〜セキララ告白集〜
 Q4.彼氏(夫)が「運転手をやめろ」と言ったら辞める?

Yes 2人・No 13人
Yes組

「好きな人がそう言うんなら、他の職業に就くと思う」
No組

「オレが養ってやる、という事なら辞めるけれど、それ以外の理由なら辞めない」
「運転手してる事も含めて私自身なので、それを認めてくれない人とは付き合わない」



 なぜみんなヤンキーなのか?

女運転手というのは外見ヤンキーぽいコが多い、と思います。
皆さんのイメージもそうなのではないでしょうか。それはなぜなのか!?

やっぱり運送業界というのは男社会で、仕事内容からしても OLさんのようにキレイなカッコもできない。そんな職種に、普通のコは就きたいと思うでしょうか? いんや思わない!

じゃあ私らは普通じゃないんかい、と知り合いの女運転手達に言われちゃいそうですが(笑)、まあ数ある職種の中から、
「女運転手になる!」
と決めるコはそういるもんじゃありません。カッコイイとは思うけどあんな大きなクルマは私には無理、とはなから別世界のように感じるのが一般的。

が、それでも「やってやろうじゃん!」と果敢にやって来る女のコはやはり気が強く、サバサバしたコが多い。なのでどうしてもヤンキーぽいコが多いのかも。

ヤンキーのコは早くに結婚して引退してしまうかもしれないけど、その分子供から手が離れるのも早いので30歳そこそこでカムバックして来るコもいるみたいだし。頼もしいですね。

でも最近は女運転手が増えて来て、普通っぽいコもじゃんじゃんトラックに乗ってます。
友達の中にもそういうコはいるし、かくいう私も、外見はお嬢様っぽい(笑えますが事実そう言われる)ので、初対面の人に職業を言うとまず間違いなく、
「ええ!? トラック乗ってるようにはとても見えないよ!」
と驚かれます。

でも反面 私ゃ、性格はヤンキーで運転手向き(?)なのですが。特に怒った時はガラが悪く言葉も汚くなるので、母親から、
「あんたヤクザ?」
と言われた事もあります…。

もちろん、ヤンキーぽくなけりゃ運転手にはなれない、なーんて事はありません。やる気があるならそれでオッケー、ぜひカモン! なのです。



〜セキララ告白集〜
 Q5.ダンプ業界で印象に残っている運転手は?

「うちの社長。とにかく腕が悪い! まっすぐな一本道なのに、なぜか路肩に落ちた事が2度もある」
「ダンプの荷台を上げたまま国道をぶっ飛ばし、頭上の交通案内の看板を粉々に破壊した人がいた」

「とある工場で、砂利の所に砂が降ろされていて、「誰だこれは!」と大モメ。工場の人が、現場に残されていたタイヤの跡で、 犯人運転手を割り出した。鑑識かアンタは」
「結婚して妊娠したけど 7か月まで仕事していた。そうしたら 8か月めに破水、早産。子供は未熟児ながら元気に育ったので良かったけれど、やはり仕事での振動が原因だと思い、反省してる」
「とある男運転手で、信じられないくらい男尊女卑のヤツがいた。私達の言葉づかいもいちいち指摘、態度もめちゃめちゃ偉そう。家でも、奥さんがどんなに忙しくてもご飯もよそわないらしい。いま何時代だと思ってんの?」
「運転適性試験に数人で行って来た。ら、うち 1人の男運転手の結果がなんとオール 1! 唖然とする私達を尻目に当のそいつは、『1ってことは、後は上がるだけだからいい結果だよねー』だと…。それが原因か、そいつはほどなくクビになった」
「狭い道でダンプとかち合ってしまい、自分の方が100mくらいバックしたのに、相手が手も上げずに行ってしまった。それに頭にきて、自分のダンプで現場の出入口をふさぎ、その運転手と怒鳴り合いのケンカ、一躍有名になった女運転手がいた。…あんただよ、優希」



 無線

酔った男の口説き文句と、他人の噂。この 2つは、私が最も信用出来ないと思っているもの。
ダンプは一日中とにかく走りっぱなしなので、退屈で仕方ない。なのでダンプ運転手のほとんどは無線をつけてしゃべってます。

しかし、この 「無線」 がとても厄介。というのも、男なのでやはり「女」の話になるわけです。その中には同業者、すなわち女性運転手の事も含まれていて、あのコは可愛いとか、あのコは胸がデカいとか、いやあのコは愛想がいいしいいケツしてるとか、一発お願いしたいとか、そういう話になっていく訳です。

その中には当然、願望とか想像とか誇張とかが含まれて来て、んもうどこまでが本当なのかさっぱり分かりまへんがな状態です。
これは本当に厄介で、ターゲットになった女運転手は、ほとんど泣き寝入りするしかありません。というよりも、この業界に入ったからには絶対にターゲットになると思った方がいい。

私ももちろん例外でなく、「何でなんじゃ?」と本当に首を傾げたくなるようなウワサ話をされた事が何度もあります。
実際の私の行動や言動について言われるのなら、まだいい。私も責任持てるってもんです。でも噂の多くは、全く根も葉もない事がほとんど。言った覚えのない話をしてたと言われたり、大した知り合いでもないのにやたら慣れ慣れしく、まるで自分の女かのように話していたり。
「あの女とヤッた」と公言している男運転手もいる。もちろんこちらの身に覚えはなく、もう頭がおかしいとしか思えない。

極端な事を言ってしまえば、男運転手が、試しに見知らぬ女運転手に擦れ違いざまに手を振ってみたとします。女運転手の方は、知らない人なので無視するのが普通なのだけど、そこで知らん顔をしていると、
「可愛い気がないクソ生意気な女」
となり、またニコッと笑って手を振り返せば、
「知らない男にも手を振り返す尻軽女」
となるわけです。少々極端な例えですが、まあレベルとしてはマジでこんなもんです。

でもそもそも噂というのは程度の差ありこそすれ、しょせんこの程度。この仕事に就いてから私は、噂というのがいかにいい加減で無責任で信憑性のないものかを身を持って知り、以来他人についての噂は信用しないし、それ以上他人に広めず、自分の所で止めておくようになりました。

中には、知り合いの女運転手Nちゃんのように、
「噂なんて、言う方も信じる方もバカなのよ。関係ない奴に何を言われたって、私はぜーんぜん気にならないもんね」
とスッパリ言う頼もしいコもいます。
が、やっぱりそこまでキッパリ言える人は少ないようで、女運転手の多くは、それで傷ついてたりします。

余談ですが数年前、友達の女性運転手Aちゃんが、あらぬ噂を無線で言われまくっていた時がありました。そしてそれを聞いた私は、
「誰が噂の出所なんだ!?」
と怒って調べたところ、どうやらRという男運転手らしい。
私は自分の事は別に構わないが、友達が悪く言われる事は我慢出来ない性格だったので、Rがダンプを停めている駐車場を探し出し、夜中に行って 窓ガラスを叩き割って車内の無線機を叩き壊しに行こうかと本気で計画しました。

が、先輩女運転手Sちゃんが、
「Rさんは○○町の空き地にダンプ停めてるんだけど、あそこは夜になるとすごく静かで、そんな凄い音を立てたら絶対に見つかる。捕まっちゃうよ、お願いだからやめて」
にものすごく止めたため、結局実行は出来なかったんですが。

そんな過激で短気な私が、自分に対してのウワサ話をどうやって乗り越えているのかというと、ただ一つ「聞かない」。
自分に対してのうわさ話は、意識して聞かないようにしています。
聞いちゃうから辛いんであって、あえて聞かないようにすればいいのです。自身の耳に入らなければ、何も言われてないのと同じこと。少なくとも自分にとっては。

脅かすつもりはありませんが、ダンプ業界は本当にえげつない世界です。
「男の人ばかりだから、カラッとしてて陰口やなんかないでしょう」
と友達からよく言われますが、とんでもない! ブンブンブンブンッと筋違えちゃうくらい首を横に振っちゃいます。

女より男の方がヤらしいですよ〜、いやホント。男の嫉妬は凄いです。
これからダンプに乗ろうという女のコは、それだけは覚悟しておいた方がいいでしょう。

また他人に対してのウワサも、余談ですがあまり信じない方がいいですよー。
周りのウワサ話をいちいち真に受けていたのでは、ウソや誇張がほとんどの情報の中で、あなたはフラフラになってしまうでしょう。誰を信じていいのか分からず、人間不信になってしまうかも。
「うわさはうわさ」 と割り切って耳にするようにし、そしてここが一番大切!
あなた自身は、決してそれに染まらないで下さいね。



〜セキララ告白集〜
 Q6.女運転手で困った事は?

「何と言ってもトイレ! 男の人はいいなあと本当に思う。取り外し出来る○○○が女にもあれば…」
「刑務所に荷降ろしに行った時、『女性は立ち入り禁止なんですけど』と言われて少しモメた。またトンネル現場なども一部女性立ち入り禁止の所があった」



 「飲みに行こう」の誘いには?

セクハラについては先に書いたものの、実際に触られる事までは滅多にないのであまり心配しなくてもいいでしょう。

が、お酒の席になるとやっぱり違って来ます。
ダンプ運転手には酒豪が多く、仕事が終わってから飲みに誘われる事も少なくありません。

嫌だと思ったらもちろん断わればいいのです。理由はその時に応じて、
「ちょっと用事があるから」
「お酒飲めないから」
「彼氏が怒るから」
など、状況に応じてうまく使い分けて。
さも残念そうに断って、
「本当にごめんね。また機会があったら誘ってね!」
とのフォローも忘れずに。

またお誘いを受ける場合でも、親と暮らしているコなら、「門限がある」と言っておくのも手です。10時くらいに設定しておけば、男運転手の酔いが回ってハチャメチャになったり、2軒め3軒めと連れ回される前に帰れます。

基本的にお酒のお誘いに乗るのは、同じ会社の人や信用のおける人達、大勢とだけにしておいた方がいいでしょう。
同じ会社の人間なら「あまりヘタな事は出来ないな」と相手もブレーキがかかるものだし、一緒に飲みに行った事を周りに知られても「同じ会社の奴となら仕方ないか」と噂になる事も最小限で済みます。

また、日中仕事をしている時は「なんていい人♪」と思っていても、お酒が入ると「ゲゲッこんな人だったの!?」とガラリと変わってしまう人もいますので、初めて飲みに行く時はご用心。
酒癖の悪くない(飲んでも手癖の悪くならない)人が1人でもいれば、その人の隣りに座るようにしておいた方がいいでしょう。

もっとも、
「少々噂されようが身体さわられようが、私は構わないわよう。タダ酒飲めればいいもんねー」
というアナタは、誘われるがまま行くのも、それはそれで自由です。

私の場合、お世話になっててある程度親しい人となら、飲みに行くのはOK。
でも少人数は避けます。2人きりなんてもっての他。私は未だに、2人だけで飲みに行くほど信頼? しているほどの男運転手は1、2人しかいません。

また飲みに連れて行ってもらった時には、レジの後には必ず「ごちそうさまでした」の一言を忘れずに。その場にいる全員に言うくらいのつもりで。

知り合いの女運転手 Sちゃんは、
「あいつは飲みに連れて行っても『ごちそうさま』も言わない」
とのことで、多くの男運転手が悪印象を受け、今では散々悪口を言われてしまってます。

飲みに誘う時点で男運転手は、こちらの飲み代を持つつもりでもちろんいてくれるでしょう。でもそれを当然と思ってしまうのは傲慢です。ニッコリ笑って、
「ごちそうさま、すごく美味しかった(楽しかった)!」
とお礼を言うのは当然のマナーです。



〜セキララ告白集〜
 Q7.運転手になって良かった! と思う事

「お給料がいい! 前は事務員をしてたけど、もう戻れない」
「運転するのが好きなので、毎日好きな事をしてられるのはやっぱり嬉しい。もちろん楽しい事ばかりじゃないけど…」
「友達が増えた」
「トラックの中で 1人きりなので、すごく気楽。お弁当も、誰に見られる事もないから手抜きできる(笑) 」



 どこまで許す?

「飲みに行こう」の誘いにはどの程度乗ればいいか、ということは前項で書きましたが、精神的にはどこまで男運転手に気を許せばいいのか。

仕事中の無線でのおしゃべりや飲みに行った時など、どの程度「自分を出すか、本当のことをしゃべるか」ということは重要になります。

『無線』の項目でもお話しましたが、ダンプ運転手は全員が知り合い、また無線でもあなた(女運転手)の会話は想像以上にたくさんの人に立ち聞きされていますので、「この場だけの話」では決して終わりません。
それを承知した上で、あなたさえ構わないなら、自分のことをどこまでも話すのはもちろん構いませんが。

運転手友達Aちゃんはそのタイプで、「そんなことまで!?」ということまで正直にペラペラとしゃべってしまい、こちらがハラハラしてしまうくらいです。

ちなみに私は、結構「話さない」タイプで、親しくなって気を許してる男運転手さんは別ですが、ほとんどはうまくかわして当たり障りのない範囲で話していました。
恋人も、できただの別れただのといちいち言うのも面倒くさいので、ずっと「いませーん」で通していました。(でもそうするとたまに、お見合いや紹介の話が来てしまうのですが)

さて運ちゃん達は確かに顔はコワイですが、話してみると面倒見が良く、気さくな人が多いです。
仕事中、面倒見良くいろいろ教えてくれたり、道が分からないと言えば待っててくれたり、ジュース買ってくれたりして、
「親切な人ォ! 」
と思うことはたくさんあり、つい気を許してしまいがちです。

が、プライベートまで付き合い出す(夜みんなで飲みに行ったりする)と途端に、その場にいない運ちゃんの悪口が始まったり 酒グセ悪かったりして、
「ガーン! こんな人だったなんて…」
とショックを受けることも多々あるのです。

また悪口はくれぐれもご注意を。
「みんな言ってるから、いいか」と話を合わせるつもりで一緒になって他の運ちゃんの話に合わせて肯いていたら、後日、
「あのコ こんなこと言ってたよー」
と、さも自分だけが言っていたかのように話されちゃうことも。まあこれは

ですがもちろん、そんな人ばかりではありません。何人集まっても楽しく、人の悪口は決して言わず、酔っても陽気になるだけで紳士的にキチンと帰してくれる、ダンナにしたい運ちゃんもたくさんいます。

が、やっぱり比率的に言うと、残念ながら前者の方が圧倒的に多いでしょう。
私も少し前にとある運ちゃんグループと飲みに行きましたが、盛り上がっている話題はとある運ちゃんの悪口。それも、単にその人をバカにするような、体型とか無線でのしゃべり方とか、はてはその人の奥さん子供のことまで言い出し、やっと話題が変わった (というか私が変えた) と思ってホッとしてたら、全然違う話からまたそっちへ戻る、という具合。

「アンタ達、そんなことしか話すことないわけ!?」と本当にウンザリしました。

でもそこでショックだったのが、以前一緒に仕事をして、「いい人だなー」と好印象だった運転手Kさんも、すごく楽しそうにゲハゲハ笑いながらその悪趣味な話題に参加していたこと。「いい人だなー」 という印象のまま、一緒に仕事した所で留めておけば良かった…と後悔し ました。まあこれは、

でも、何事もそうですが保守的になりすぎても人生つまりません。
しょっちゅう一緒に仕事する運転手とは、そういうお誘いに顔を出しておくと、
「よく来てくれたね」
と喜んでくれてあなたの株も上がるでしょう。

また、
「ちょっとこの人苦手だな」 「コワイな」
と思う運ちゃんがいるなら、なおさら行ってみるといいかも。仕事中とは違った一面が見れ、またお酒が入っているので運ちゃんもあなたもリラックスして楽にしゃべることができ、一気に壁が取り除かれて親しくなれるチャンスです。

私もダンプ運転手になったばかりの頃はまだ女運転手は少なく、とある運転手Tさんは、
「女がダンプぅ!? 女でも出きる仕事だってか、けっバカにするな!!」
と言っていたと聞きました。その月末みんなでバーベキューすることになり、私も参加し、そこでビール片手に自分からTさんの近くに行ってたくさんおしゃべりし、「よろしくお願いしまーす」と謙虚に言ってきました。
そのかいあってその日を境に、すごくよく面倒見てくれるようになりました。

こういうケースもありますので、運転手との付き合いは、
「基本的には仕事中だけにしておいた方が無難。でも、相手と場合によってはお誘いに乗った方が良い場合もある」
としか言えません。

参考程度に言いますと、
「しょっちゅう一緒に仕事する運転手」
「誰もが一目置いてる、顔が広く仕事ができる運転手」
とは、仲良くしておいて損はないでしょう。

しかし最終的判断はもう、あなた自身が「親睦を深めた方がいい」運転手を見極めるしかないです。

あなた自身の仕事&プライベートが過ごしやすいものになるように、運ちゃんとの距離感をうまく保ってくださいね。



〜セキララ告白集〜
 Q8.運転手してて、おもしろかったエピソードなどありますか?

「信号待ちで停まっていたら、隣りの車線で並んでいた県外の観光バスに乗っていたオジさん達が、「おおーおネエちゃんだあ!」と盛り上がり、窓を開けてきて、ジュースやビールやお菓子くれたり握手されたりして、「ガンバッてね〜!」と陽気に手を振りながら走って行った」
「乗用車とすれ違いざま、運転してる人が、「わあー女の人だ…」とポケッとよそ見してたら、前のクルマに追突した! ということが今まで2回あった。なんとなく申し訳ないような」



 ダンプは女性に向き? 不向き?

ダンプカーのメリットは、車体の短さ、荷崩れの心配がいらないことなどがありますが、一番はやはり、荷積み・荷降ろしが楽なこと!

仕事内容によっては例外もありますが、基本的には「運転するだけ」。体力的にはかなり楽です。「ダンプに乗ると太る」という恐ろしいジンクスもあるくらいなので要注意。

まあそんな訳で、男と女の最大の壁である「腕力」は、ダンプ業務ではほとんど問題になりません。おっ いいじゃん。ダンプってやっぱ女向きなの?

いやちょっと待った! ダンプは舗装された道ばかりを走る訳じゃないのです。
現場などは地盤が悪いし、山の中の林道など、「本当にここを入って行くの?」と呆然としてしまうような道を行かなきゃいけない事も。
都会の方は知らないけれど、私は地方なのでこういうケースがよくありました。車幅ギリギリの狭い道をローギアで上がって行ったり、尖った石でタイヤを切ってしまいパンクしたり、木の枝が当たって無線のアンテナが内部で折れてしまったり。トラックの傷みも激しくなります。
あとこれも地域限定だけれど、冬場は雪が降ったり、路面が凍結していたり。

一般的にみて男より運転の腕が劣るとされている女には、やっぱり不向き?

実際 男運転手の中には、「女はダンプはやめといた方がいい」と言う人もいます。
数年前、私が運転手同士のバーベキューに行った時、そこにYちゃんとKちゃんという2人の女のコがいました。今4t車に乗っているんだけど、大型免許を取ってダンプに乗りたいとのこと。

でもそこへ男運転手の1人がやって来て、
「ダンプってのは 今の配送の仕事みたいにキレイな道ばかりを走る訳じゃないから、女には無理だよ」
と言うのです。女には無理って、私はやってるだろうが。ケンカ売ってんのかコイツと思いつつ、私はYちゃんとKちゃんに、
「確かに山や道の悪い所も走らなきゃいけない時もあるけど、私や他のコだってやってるんだし、やる気があれば出来ると思うよ」
と言っておきました。

その少し後、Yちゃんから電話があり、
「あの時はありがとう。実は私もKちゃんも、今ダンプに乗っているの!」
とのこと。 2人は見事にダンプ業界の仲間入りを果たしたのです。

あれから数年経って、Yちゃんは子育てで休職中、Kちゃんも出産のために一旦ダンプを降りたものの、今はまた復帰して毎日頑張っています。

ダンプが他のトラックと違う所をいくつか説明しましたが、結局ダンプは女のコに向いているのかいないのか?
向いていなくはない、とだけ言っておきます。事実、女性でもやっているのですから。
結局は自分のやる気ではないでしょうか? やる気があればこの仕事に就く事は可能です。後はあなた次第でしょう。

どんな仕事でもそうだけれど、無理かどうかは周りの人でなく、実際やってみたあなたが決めることなのです。



〜セキララ告白集〜
 Q9.業界内での事故の話を聞いたことはありますか?

「現場の外で Uターンしようとしたら、バックオカマ(バックで後続車に追突する)をしてしまった」

「とある運ちゃんが、山で自分で積み込み。自分のダンプを止め、重機機械に乗り込んでクルッと振り返ると…ダンプが忽然と消えていた。サイドブレーキが甘かったらしく、崖下に落ちてしまっていたらしい」
「荷積みの順番になったのに動かないダンプがいたので、事務所のオバちゃんが見に行ったら、運ちゃんは運転席に座ったまま心筋梗塞で亡くなっていた」
「知り合いの男性運転手Sさんは、山道を走っていたら足元の道が崩れて、そのままダンプごと崖の下へ。途中に木が2本あってそこに引っかって止まり、助かったものの、その木がなかったら間違いなく転落していたそう」
「山の中の林道で、ハンドル操作を誤って道を外し、ダンプごと2回転、5メートル下の川に転落。運良く打僕と裂傷で済んだ」
「人身事故。私自身は無傷だったが、相手の男の人は瀕死の重傷で、社会復帰できるまで 2年かかった」
「知り合いの運ちゃんが走ってたら、男子高校生が突然飛び出して来た。避け切れずにダンプに接触、その高校生は亡くなった。飛び込み自殺だった」



 「女だから」の偏見にはこうして立ち向かえ

女運転手が仕事で一番イヤなのは、「女じゃないか。大丈夫なのかな?」という目で見られる事だと言います。

ダンプの仕事は腕力はいらないので、男も女も同じように仕事が出来る、はず。なのに現場に行くと、
「狭いけど大丈夫?」
「こんな所に女のコは可哀想だよなあ」
と言われる事が少なくありません。

これはやっぱり女運転手がまだ珍しいから、それに一般的に女は男より運転技術が劣るというイメージが強いためでしょう。

知り合いの女運転手Nちゃんなどは、
「可哀想って思われて楽な現場に回されれば、その方がいいじゃない♪」
と前向きに? 言っているけど、「あのコにこの現場はちょっと」 と配車係に気を回される時点で、運転手として信用されていない、頼りなく思われていることになるんだから、悔しいし情けない事だと思うんだけれど。

さて私はトラック業界に入った時、男の人には、腕力・技術・経験の点はかなわないなとすぐ悟りました。
なので別の、自分に出来る事を頑張る事にしました。現場では愛想良くし、サボらず真面目に仕事をし、他の男運転手が嫌がるような仕事も文句一つ言わずやってました。
そうしたらある時、それらの点をすごく誉められて、
「女のコもいいね」
と言われたのです! すごく嬉しかった。

要するに、「確かに男の人に劣る所はあるけれど、でもその代わり女ならではの長所もある」ということを分かってもらえればいいのではないかと思います。

女の武器というと大袈裟だけれど、例えば愛想は女のコの方が大得意! いかつい男運転手がニコニコ手を振ったり可愛コぶったりしていても、気持ち悪いだけです。

また真面目だったり、礼儀正しかったり、仕事に文句を言わなかったり、優しい運転をしたり、こちら方面も女の方が得意なはず。
そんな風に女ならではの気配りを見せて仕事していれば、
「女のコもいいね」
ときっと言われるでしょう。

「男には負けたくない」という気持ちを持つことはバネになって良いけれど、あまりやっきになるのはどうかと思います。男の人にかなわない所は確かにあるんだし、つい最近までずっと男社会だったんだから、その実績や印象はもうどうしようもない。

でも今日、運送業界での女運転手は確実に増えていってるし、「女でも大丈夫」と認められ、いちいち珍しがられる事もない日は、近いうちにきっと来るでしょう。

土台を作ってくれた、歴代の先輩女運転手に感謝の念を送りつつ…



〜セキララ告白集〜
 Q10.匿名だから言える仕事中のエピソードは?

「山の中でどうしようもなくトイレに行きたくなったので、運転席のカーテンを引いて、車内でコンビニの袋の中にした」
「お腹の調子の悪い時は、運転手で本当に良かったと思う。OLさん達って、オナラどうしてるんだろう?」
「痔が悪化した…」



 おわりに

書き上がってみたらなんだか、ダンプ業界のイヤな所ばかりの内容になってしまってますね。これじゃダンプに乗りたいって女のコのやる気を削いじゃうかも。こんなはずじゃなかったんだけどなあ(笑)

でも、そんな私も21歳からダンプに乗って現在に至ります。これらのデメリットを上回るだけの魅力も、ダンプ業務には確かにあるのです。
本文中では色々書いてはあるものの、基本的に女運転手は 男の人から可愛がられます。やっぱり男は女が好きなんだもんね(笑)

だけど反面、男運転手からボロクソに言われている女運転手がいる事も事実です。
その原因は何なのか? 男社会である運送業界で、女運転手はどう振る舞えばいいのか?

本文中でも書きましたが、女運転手はこれからどんどん増えてくるでしょう。私も現役の一員として、そうなる事を願ってます。

そしてその折、このページの内容が少しでも参考や励みになり、あなたの運送業務生活が快適かつ円滑になりますよう、心からお祈りしています。頑張ろうね!





本文中、ところどころ(全部?)
ひょっとしたら男運転手の方が
気を悪くされる表現が
あったかもしれない事をお詫び致します。
笑って許してやって下さ〜い。

そして14人の女運転手友達のみんな、
ご協力どうもありがとう!!♪



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